司馬遼太郎賞とは
作家 司馬遼太郎の活動を記念して、毎年1回、文芸、学芸、ジャーナリズムの広い分野のなかから、創造性にあふれ、さらなる活躍を予感させる作品を対象に選考し、決定します。
選考方法は、まず全国報道機関のみなさん、作家、学者、文化人のかたがたにアンケートを出し、候補作品の推薦をいただきます。その後、財団を構成しているマスコミ12社の候補選定委員会がアンケート集計を参考に、候補作品を選定する作業を行い、その後、選考委員会で決定します。
選考委員は、安部龍太郎、井上章一、木内昇、後藤正治、柳田邦男の5氏です。
司馬遼太郎賞の贈賞式は、菜の花忌の会場で行います。
賞品
正賞 懐中時計 副賞 賞金100万円
最新の受賞作品
第29回司馬遼太郎賞(2025年度)
熊本史雄著『外務官僚たちの大東亜共栄圏』(新潮社刊)
【贈賞理由】
大日本帝国を生きた外務省のエリートたちは、国家のいきおいにひきずられ、無謀な膨張主義に傾斜した。いっぱんには、そう語られやすい。しかし、著者は20世紀初頭から外務省の中に、そういう気運があったという。その論述は手がたく誠実である。自分の論旨からははずれるようなデータも、きちんととりあげている。官僚組織総体を考えるヒントも多い。司馬遼太郎賞にふさわしい成果だと考える。
【熊本史雄氏略歴】
1970(昭和45)年、山口県生まれ。駒澤大学文学部教授。専攻は日本近代史、日本政治外交史、史料学。
93(平成 5)年、筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒業。95 年、同大学大学院博士課程歴史・人類学研究科日本史学専攻中退。同年、外務省外交史料館外務事務官、2004(平成16)年、駒澤大学文学部歴史学科専任講師、08年、同准教授を経て、14年より現職。24(令和6)年、国際日本文化研究センター客員教授。12年、博士(文学)取得。
今年『外務官僚たちの大東亜共栄圏』(新潮社)で第20回樫山純三賞(一般書部門)受賞。
大日本帝国を生きた外務省のエリートたちは、国家のいきおいにひきずられ、無謀な膨張主義に傾斜した。いっぱんには、そう語られやすい。しかし、著者は20世紀初頭から外務省の中に、そういう気運があったという。その論述は手がたく誠実である。自分の論旨からははずれるようなデータも、きちんととりあげている。官僚組織総体を考えるヒントも多い。司馬遼太郎賞にふさわしい成果だと考える。
【熊本史雄氏略歴】
1970(昭和45)年、山口県生まれ。駒澤大学文学部教授。専攻は日本近代史、日本政治外交史、史料学。
93(平成 5)年、筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒業。95 年、同大学大学院博士課程歴史・人類学研究科日本史学専攻中退。同年、外務省外交史料館外務事務官、2004(平成16)年、駒澤大学文学部歴史学科専任講師、08年、同准教授を経て、14年より現職。24(令和6)年、国際日本文化研究センター客員教授。12年、博士(文学)取得。
今年『外務官僚たちの大東亜共栄圏』(新潮社)で第20回樫山純三賞(一般書部門)受賞。
これまでの受賞作品・受賞者開く
(敬称略)
- 第28回(2024年度)
麻田雅文著『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』(中央公論新社刊)
- 第27回(2023年度)
岡典子著『沈黙の勇者たち ユダヤ人を救ったドイツ市民の戦い』(新潮社刊)
- 第26回(2022年度)
平山周吉著『満洲国グランドホテル』(芸術新聞社刊)
- 第25回(2021年度)
石川禎浩著『中国共産党、その百年』(筑摩書房刊)
- 第24回(2020年度)
佐藤賢一著『ナポレオン』全3巻(集英社刊)
- 第23回(2019年度)
林新、堀川惠子著『狼の義 新 犬養木堂伝』(KADOKAWA刊)
- 第22回(2018年度)
朝井まかて著『悪玉伝』(KADOKAWA刊)
- 第21回(2017年度)
奥山俊宏著『秘密解除 ロッキード事件』(岩波書店刊)
- 第20回(2016年度)
葉室麟著『鬼神の如く 黒田叛臣伝』(新潮社刊)
- 第19回(2015年度)
飯嶋和一著『狗賓童子の島』(小学館刊)
- 第18回(2014年度)
伊集院静著 『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』(講談社刊)
- 第17回(2013年度)
沢木耕太郎著 『キャパの十字架』(文藝春秋刊)
- 第16回(2012年度)
赤坂真理著 『東京プリズン』(河出書房新社刊)
片山杜秀著 『未完のファシズム 「持たざる国」日本の運命』(新潮社刊)
- 第15回(2011年度)
伊藤之雄著 『昭和天皇伝』(文藝春秋刊)
辻原登著 『韃靼の馬』(日本経済新聞出版社刊)
- 第14回(2010年度)
楊海英著 『墓標なき草原 上下巻』(岩波書店刊)
- 第13回(2009年度)
宮本輝著 『骸骨ビルの庭 上下巻』(講談社刊)
- 第12回(2008年度)
原武史著 『昭和天皇』(岩波書店刊)
- 第11回(2007年度)
山室信一著 『憲法9条の思想水脈』(朝日新聞社刊)
- 第10回(2006年度)
浅田次郎著 『お腹召しませ』(中央公論新社刊)
長谷川毅著 『暗闘 スターリン、トルーマンと日本降伏』(中央公論新社刊)
- 第9回(2005年度)
北方謙三著 『水滸伝 全19巻』(集英社刊)
- 第8回までは人とその業績に重点を置いていましたが、第9回からは作品を対象にしています。
- 第8回(2004年度)
松本健一
- 第7回(2003年度)
池澤夏樹
- 第6回(2002年度)
杉山正明
- 第5回(2001年度)
宮部みゆき
山内昌之
- 第4回(2000年度)
関川夏央
青森県教育庁「三内丸山遺跡」の発掘調査チーム
- 第3回(1999年度)
宮城谷昌光
宮崎駿
- 第2回(1998年度)
塩野七生
- 第1回(1997年度)
立花隆
